
| 手順はいつも通りだった。幸運の神の僧侶、ドゥルワイトが幸運の呪文を全員に投げる。それを受けてイリネアが正確な射撃を開始する。魔法で強化された弓矢は頑強な赤き竜の鱗を貫く。しかし致命傷ではない。 竜が咆哮する。全ての生き物を恐怖で凝らせる、この世で最強の生物の雄叫びだ。しかし天使の力を持つポルメリアには恐怖を克服する力がある。仲間も彼女の側にいれば、竜の雄叫びを耐え凌ぐ事ができた。 魔法使いであるリュイシスが氷の嵐を召喚する。赤き竜は炎の眷属。冷気には極度に弱い。それでも竜の致命傷にはならない。頑強な体力で冷気の攻撃をも無視してパーティに突撃してきた。 「夢もなく恐れもなく、ただひたすらに剣を持て悪を撃つ」 小声でポルメリアがいつもの言葉を口にする。それが鼻につくのか、トゥルスは顔をしかめた。 「やめろよ、それ。勘に障るから」 だがポルメリアは逆に微笑んだ。 「ただのお呪いですよ。私が剣を振う為の。貴方にはありませんか?トゥルス」 「ねぇよ。ただ、頭の中が真っ白になるまで、こいつをぶち込むだけだ」 彼は不機嫌なまま巨人用の巨大な大剣を叩いてみせた。 |