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 彼女の名前はポルメリア・ランキン。

 またの名を『城砦落とし』。

 歴戦の騎士らしからぬ歳と風貌、その愚直なまでな戦い方で勇名を馳せている。彼女のような『善』の有名人はあまり裏街道など通らない。『悪』の支配者がかけた賞金目当ての挑戦者、お高くとまった騎士に対するやっかみが隠せない者、若く美しい娘ならばちょっかいをかけねばならないと信じている連中。それらの相手をするのが億劫だからだ。

 もちろん、彼女のように姿形が知れ渡っている者ならば、何処を通ろうと同じだ。だが表街道と違い裏街道は、文字通り裏稼業に身をやつす連中が多い。トラブルを避けるなら、こんなところは通らない。

 彼女が裏街道を通る理由は極めて簡単だ。ただ単に近道だからである。愚直というのはこのこと。目的を決めればそれに向かって脇目も振らずに真っ直ぐ進むだけなのだ。

 それが無用のトラブルを起こす原因である事も解っている。だが彼女はそれを気にした事はなかった。気にする必要もなかった。鬱陶しくはあるが彼女にとって致命的な事にはなりえないからだ。

 裏街道の自然発生的な宿場町はそういったトラブルを温床だ。だが彼女はそこで足を止めた。保存食以外の食事をとる機会は少ない。善なる軍神の恩寵により高速治癒能力を持つが霞みを食べている訳ではない。神の眷属であり人間の姿をしていながら人間ではない存在と言っても、食わねば生きていけないのだ。

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