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今夜の番組チェック

 その塔は森の中に忽然と建っていた。唐突に、しかし不自然ではない。

 何十もの幻覚魔法に守られ、情報屋に大金を支払い正確な場所を心得ていたポルメリアでも、何度か惑わされて森の中を三日は彷徨った。

 そこは名高き魔術師バラウダの塔だ。

 偏屈な人物で誰にも従わない。しかし自分が開発したとんでもない呪文や、魔法の道具を高値とはいえ売り払う。普通の魔術師はそんな事はしない。自分が造り上げた呪文は自分の為だけに使うし、魔法の道具も依頼がなければ他人の為に、たとえ大金を積まれても手放す事はない。

 それだけなら奇矯な魔術師で終わるのだが、彼は目的の為に手段を選ばなかったし、自分以外の何者がどうなろうと知った事はない、という利己主義者でもあった。

 現にこの辺りでは人間、エルフ、ドワーフ、ノームの区別なく、恐らくゴブリンやオークといった悪に仕える者たちも神隠しにあっているのだ。そして二度と戻らない。

 幼い子供、愛する夫、妻、友人を失った者たちの諦めと嘆きの声が響いている。ポルメリアがバラウダの塔を探す理由は十分だ。

 塔は無愛想に建っていた。フードとマントを背に背負った魔法のザックに収め、浮遊盾を取り出す。金色の三つ編みを重々しくなびかせる。乳白色の肌に緊張が漲り、珊瑚色の唇が横一文字に絞られる。清冽な藍色の瞳が、不吉な塔を睨んだ。

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