| 何の為に剣を振るうのか。物心ついた時からその手に剣を握っていた彼にはどうでもいい事だった。敵を目の前にすると相手にどうやって勝つか、その事だけが頭を占める。流浪を重ねて勝ち続ければ、自然に名前も広まっていくのだと、旅をしてしばらくたつと解ってきた。同時に今度は命がいくつあっても足らなくなる。 これが自分の限界なのか。彼は傷を負い、数を頼む挑戦者に追い詰められながら思った。武器はとうに失っている。俺はここまでの男だったのか。逃げ延びた古い遺跡で彼は自分自身を笑った。自分の限界を知ると言うのは、まぁ有意義な事だったが、しかし知った途端に死ぬと言うのはつまらない話だな。 己の限界を知ったというのか少年よ。 遺跡の中で誰かが彼の頭の中で問うた。あの世の声が自分の耳に届いたのかな?彼は少し自虐的にそんな事を考えた。 空耳と思うか。しかし、まだ生き延びたいと思うならば、この神殿・・・いや廃墟か、この祭壇の奥に隠された剣を使え。お前にその力があるのなら、神の手で鍛えられた剣を託そう。 |